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小野嘉久(徳山駅前地区市街地再開発組合理事長)

小野嘉久(徳山駅前地区市街地再開発組合理事長)
01.プロフィール


1969年、周南市生まれ。曾祖父は徳山駅長、祖父は歯科医師。歯科医師の父親がみなみ銀座に歯科医院を開業、幼少期をJR徳山駅周辺のまちなかで過ごす。高校時代に音楽にのめり込み、高校卒業後大阪でバンド活動をスタート。26歳のときにUターン、喫茶店を経営。29歳のとき、東京へ上京。オーケストラの事務局と指揮者のマネジメント業務に携わる。指揮者がニューヨークに移住することになったため活動を離れ、33歳で再び周南市にUターン。居酒屋の店長を務めたのち、有限会社小野商事の代表取締役として本業に専念する一方、徳山駅前地区市街地再開発組合理事長を務める。

02.モノとコト

近年、徳山駅前賑わい交流施設・徳山駅前図書館、徳山駅北口駅前広場と整備が進められてきた徳山駅周辺。これに呼応する形で、周南市銀座・みなみ銀座地区において、民間主導による徳山駅前地区市街地再開発事業が進められています。総事業費はおよそ112億円。市や国からの補助は約30億円。既に既存建物の解体工事が始まっており、2022年度の一部施設の開業を前に、市民の関心が高まっています。

<これまでの経緯>
周南市銀座・みなみ銀座地区においては、2012年度から地権者有志による地権者集会を通じて、今後の課題やまちづくりの方向性について意見交換が行われてきました。近鉄松下百貨店の閉店、徳山駅ビル建て替え計画など、大きく環境が変化する中、より現実的かつ具体的な計画を立てるため、2013年10月に徳山銀座・みなみ銀座地区再開発準備組合(2016年4月、徳山駅前地区市街地再開発準備組合に改称)を設立。2018年3月には再開発基本計画が発表されました。2020年2月に準備組合は解散、徳山駅前地区市街地再開発組合へ権利義務が継承され、2021年2月に権利変換計画の認可を経て、解体工事がスタート。2023年秋以降に施設全体のオープンを予定しています。

<再開発の具体的構想>
再開発の場所は、徳山駅前賑わい交流施設の東側。閉店した近鉄松下百貨店の跡地なども含まれています。2018年3月に作成された基本計画をもとに、駅、駅前、商店街が一つの活気あるゾーンへと展開できるように配慮されています。計画では、住宅棟、ホテル棟、駅前棟、駐車場棟、商業棟の5つの施設が新たに建設される予定です。
住宅棟/徳山駅に直結する18階建て、総戸数100戸のマンション。中央広場側の1、2階は店舗。
ホテル棟/12階建て、客室数117室のホテル。1、2階は店舗。
駅前棟:駅東側駐輪場の北側、6階建ての施設。1、2階は店舗、3階はオフィス、4〜6階には徳山商工会議所が入居予定。駐輪場屋上を活用した屋上庭園を設け、市民の憩いの場を創出。徳山駅前賑わい交流施設の2階部分から接続され、賑わいの連続性を生み出す。
駐車場棟/88台の駐車が可能な立体駐車場。商業施設や駅に直結。
商業棟/1階は、食品スーパー、食材、ライフスタイルショップ、グルメマーケット、飲食ヴィレッジ。2階は、大型専門店、ライフスタイルショップ、生活雑貨、生活支援サービス、情報発信。屋上は、102台の駐車場。

※事業構想については2021年3月時点のものになります。今後の検討により変更の可能性がありますので、予めご了承願います。

03.インタビュー

来年度の駅前棟の開業が迫る徳山駅前地区市街地再開発事業。続く、商業棟、住宅棟の開業にも期待が膨らみます。現在、着々と事業を進める徳山駅前地区市街地再開発組合の理事長・小野嘉久さんに、周南市の魅力やまちづくりに対する思いについてお話を伺いました。

まちなかでのびのびと育った幼少期
生まれも育ちも周南市。若い頃、大阪や東京で過ごした時期以外、人生の大半を周南市で過ごしてきた小野さん。昭和の活気のある時代から平成まで、まちの変遷を見てきました。「実家がみなみ銀座にあったため、小学校低学年までは商店街が遊び場でした。放課後、帰宅してランドセルを放り投げたら『白川商店』という駄菓子屋へ直行。そこでお菓子を買って、青空公園で野球をして遊ぶのが定番でした。近鉄松下百貨店の店内を走り回ったり、路地裏を探検したり、高い所を渡ってみたり…。振り返ると危ない所でも遊んでいましたね。商売人が多いまちで、周りは顔見知りばかり。何か悪さをすればすぐに家に連絡が入っていました(笑)」。小学4年生のときに山手に引っ越したことから、遊び場は次第に自然の中へ。「近所にあった万葉の森でケイドロ(2つのグループに分かれた鬼ごっこ)をしたり、広場で野球をしたりして、活発に遊んでいました。中学生になると友達と一緒に自転車で埠頭まで出掛け、海に飛び込むなど、ワイルドな遊びもしていました。」

故郷を離れ、音楽に没頭した若い日々
高校時代にはロックバンドのBOØWYにハマり、初めてギターを手にしたという小野さん。そこから音楽にのめりこみ、大阪に出てバンド活動を始めました。アルバイトをしながら音楽漬けの毎日。しかし、このままではいけない、どこかで音楽に見切りをつけなければという思いが出てきて方向転換。26歳のときに周南市にUターンしました。しばらくは居酒屋でアルバイトをしていましたが、手頃な居抜き物件が見つかったことから26歳で独立。野上町で喫茶店を開業されたそうです。「食べていくには問題はなかったのですが、このまま喫茶店のマスターで一生を終えるのかと思うと、なんとなく寂しくなって…。」そうした思いが膨らんで、29歳のとき、刺激を求めて再び県外に出ることを決意したといいます。

心にあったのは故郷、徳山への思い
東京でオーケストラの事務局、指揮者のマネジメントの仕事に就いた小野さん。しかし、指揮者がニューヨークに移住することになり、コンサートの機会が少なくなることから、ニューヨークへの移住か、日本に残る選択を迫られることに。「英語が流暢に話せるわけではないし、向こうに知り合いもいない。それに、親のことや年齢的なことを考えたとき、地元で暮らすのが一番なのかなと。心の片隅に故郷への思いがあったのだと思います。」そして、33歳のときに再び周南市にUターン。しかし、生まれ育った商店街はシャッター街に変わり、まちからは人が消え、かつての賑わいは失われていました。「ニチイ、ダイエーや、近鉄松下百貨店があり、多くの人々で賑わっていた時代を知っているので、帰省するたびに閉じたお店が増えていくのが寂しくて…。決定的だったのが近鉄松下百貨店の閉店。あれはかなりショックでした。」そこから、生まれ育ったまちをなんとかしたい、かつての活気を取り戻したいという思いが沸々と湧いてきて、現在の活動へとつながっていったようです。

かつての賑わいを新しい形で取り戻したい
Uターンしてまちなかで事業を展開していた小野さん。2013年10月に徳山銀座・みなみ銀座地区再開発準備組合(2016年に徳山駅前地区市街地再開発準備組合に改称)が設立された頃から説明会などに参加するようになったそう。
「実は、徳山駅周辺における再開発構想は、それまでもいくつか話が持ち上がっては消えを繰り返し、なかなか実現にはつながっていませんでした。そうした経緯を知っていたので、正直、今回も計画倒れになるのかなと思っていました。しかし、2018年の駅前賑わい交流施設・駅前図書館のオープンが追い風になり、前向きかつ具体的な話し合いに進展していったので、これは実現できるかもしれないと期待が膨らんでいきました。」

権利変換計画認可を受けていよいよ解体着工
2020年1月に県から再開発組合の設立認可を受け、総会を開催する際に理事長に推挙された小野さん。本業に専念する一方で、組合の理事長としてさまざまな調整に奔走しています。2021年2月に権利変換計画が認可され、解体工事が着々と進んでいる状況です。コロナの影響もあり、当初の予定からは少し遅れたものの、完成に向けて物事はフルスピードで進んでいます。「現在、ホテルやテナントの選定は、施設の完成後に所有者となる周南パークタウン開発とで進めています。どんなホテルや店舗が入居するのかなど、詳しい情報はまだ公表できませんが、2022年度には一部施設の開業を予定しています。ホームページや組合だよりなどで随時情報を発信していくので、ぜひチェックしてみてください。」これから徐々に形が見えてくる再開発事業に大きな期待が寄せられます。

まちの人の温かさに支えられて
小野さんに周南市の魅力を聞くと「人の温かさ」と即答。「まちを歩けば知り合いに出会う。困ったことがあればご近所さんが力になってくれる。こうした温かい関係性は、都会にはない魅力なのではないでしょうか。一度外に出たからこそ、周南市の人の温かさを感じています。」今回の再開発に関しても、多様なつながりが生まれているのだそう。「先日、ワークショップを開催した際には、市内・市外を問わずさまざまな立場の人が集まり、活発な意見が飛び交いました。周南市に可能性を感じている人が多い証拠だと思います。再開発は民間主導で進められている事業。まちの人の思いが結集してここまで形にしてきたのだと考えると胸が熱くなります。全国的に見ても非常に珍しいケースなのではないでしょうか。」人任せにせずに自分たちの手で盛り上げていこう、育てていこうとするまちの人々の気概を感じずにはいられません。

周南市の思い出の場所、思い出の味
周南市の中で小野さんが気に入っている場所は、リニューアルが進む『徳山動物園。』コロナ以前は、年間パスポートを活用してしょっちゅう通っていたそう。「小さい頃はホッキョクグマが大好きで、よく親に連れられて行っていました。近年は園内がきれいになり、より動物にも近くなり、ますます行くのが楽しみになりました。特に好きなのがミーアキャット。スタンドポーズがなんとも愛らしい。つい時間の経つのを忘れて見入ってしまいます。」と嬉しそうに語る小野さん。今も昔も大切な場所のようです。もう一つ、お気に入りの場所は、沿岸部に広がる周南コンビナート。無数の灯りが広がる工場夜景がとても幻想的です。「新幹線の窓からあの景色が見えてくると、徳山に帰ってきたなと実感します。車で2号線を走っていてもきれいに見えますよね。郷愁を駆り立てる光景です。」そして、ソウルフードは『スター』の醤油ラーメン。今でも必ず月に数回は食べに通うほど、大ファンなんだそう。いくつになっても忘れられない思い出の味です。

人が集い、賑わいのあるまちに!
最後に、小野さんが思い描く周南市の未来についてお聞きしました。「駅前が整備されたことで、人々が集まりやすくなり、新たな賑わいが生まれています。『徳山あちこちマルシェ』や『こどもっちゃ!商店街』『萌えサミット』など、まちを盛り上げていこうという民間の動きもたくさんあります。こうしたイベントを通じた盛り上がりを、今後まちづくりにどう生かしていくかが課題です。建物が完成して終わりではなく、そこからが本当の意味でのスタート。ここだけでなくて、みなみ銀座、銀座通、中央街、銀南街、PH通まで人々が回遊できるまちになるのが理想的。新しくできる施設がまちあるきの拠点となるべく、昔からまちに住む人、移住してきた人、市外から応援してくれる人…そうした点と点とが有機的につながりながら、人々が集まる活気に満ちたまちになることを心から願っています。」刻一刻と変わりゆくまちの姿を見つめながら語る小野さん。その眼差しはまだ見ぬ明るい未来へと向けられています。

04.関連リンク

記事:小野 理枝 / 写真:川上 優
執筆時期:2021年10月
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