お知らせ

探究的な活動を通じて子どもたちに「デザイン思考」を。

探究的な活動を通じて子どもたちに「デザイン思考」を。

暮らしをもっと合理的に、もっと豊かに。
デザインの力で人を幸せにしていく。

探究的な活動を通じて子どもたちに「デザイン思考」を。

子どもたちに生きた学びを

周南市立岐陽中学校では、2020年度から地域で活躍するプロのデザイナーの福永みつおさんを講師に招いて美術科の授業を行っています。これは、学習テーマを実社会と結びつけることで、子どもたち自らが課題を見つけて解決するアクティブラーニングの取組です。

2020年度は、中学1年生が周南市徳山動物園の成り立ちや歴史を調査し、多種多様な動物のピクトグラム(情報を誰にでも伝わりやすいデザインに単純化したサイン)を制作。完成した作品は周南市徳山動物園内「展示館」や周南市立徳山駅前図書館で展示されました。

翌年、2年生になった生徒は、自分たちの住む周南市の魅力を考えデザインすることで周南市に貢献したいとの思いから「周南市の魅力を伝えるデザイン」を制作し、周南市のシティプロモーショングッズの製品化につなげるプロジェクトを展開しました。
そして、ついに2022年11月21日に生徒たちが制作したデザインを元に、新しいシティプロモーショングッズ「周南市オリジナルブックカバー」が完成。周南市内の書店で配布が行われました。

周南市をテーマにデザイン

「夢・志・応援プロジェクト」発足のきっかけは「瀬戸内デザイングランプリ」。山口県と香川県内の小学校・中学校・高等学校の児童・生徒を対象に2016年から開催されているポスターデザインコンクールで、毎年およそ1,500点の作品応募があり、山口県・香川県の出身・在住の現役デザイナーが審査員を務めています。これに関連して県内各地で出前授業が行われており、このたび岐陽中学校の講師として抜擢されたのが、周南市を拠点に活躍するグラフィックデザイナー・福永みつおさんです。

「美術科の先生と学習テーマを協議するなかで、周南市の観光や物産と結びつけてはどうだろうかという話になりました。実際の授業は、思考の流れをとらえやすいように黒板にプロセスを書いてから進めます。子どもたちはこちらが思いつかないようなビックリするデザインをつくってくれるので、毎回どんなデザインが生まれるのか楽しみです。」

これからの時代に必要なのは「デザイン思考」

プロジェクトのねらいは、探究的な活動を通じて子どもたちに「デザイン思考」を養うこと。デザイン思考とは、前例のない課題や未知の問題に対して最適な解決を図るための思考法です。
「デザインという言葉がつくことから、我々デザイナーやクリエイターだけが使う思考法のように思われがちですが、デザイン思考は社会のあらゆる場面で広く活用されています。単に新しいものやサービスをつくりだすのではなく、リサーチを行い、ユーザーのニーズをしっかりと把握した上で、情報を整理してデザインする。物事の本質を捉えて課題や問題を解決することが重要です。」

デザイン思考を身につけるには、理屈だけでなく、実際に手を動かしてみることが大事。体験してみて初めて気づくこともたくさんあるようです。参加した生徒からは、「考えるのは大変だけどアイデアを形にしていくのは楽しい!」「自分たちが住むまちについて考えるきっかけになった」「アドバイスを受けて自分に自信が持てた!」といった声が寄せられました。

自分たちのデザインで、自分たちが住むまちをより良くしていく。デザイン思考で切り拓く周南市の未来に期待が膨らみます。