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Re:conne DESIGN(リコネデザイン)| 沖本 道代さん

人と人をつなぎ、想いを届ける。 デザインの力で周南市を盛り上げたい。

Re:conne DESIGN(リコネデザイン)| 沖本 道代さん
01.ヒト

1976年、広島県三原市生まれ、周南市在住。大学進学を機に島根県へ。結婚後、夫の故郷である山口県へ移住。事務職を経験後、34歳のときに転職。初めて印刷の仕事に携わる。基礎的な知識を学ぶため、職業訓練に半年通った後、広告代理店、広告デザイン会社を経て、2018年11月「Re:cone DESIGN」を起業。グラフィック・Webを中心に幅広いデザイン業務に携わる。2021年3月、公募により周南市シティプロモーションの新ロゴマークに自身の作品が選ばれる。趣味は陶芸。

 

02.モノとコト

まちの魅力を自分たちで発信していく

2021年3月、「ここから、こころつながる。周南市」のキャッチコピーに合わせた周南市シティプロモーションの新しいロゴマークが決まりました。公募に参加した180作品のうち、一次審査を通過した最終候補3作品で人気投票を行った結果、投票総数2018票のうち最多である835票を獲得したのは、周南市在住のグラフィックデザイナー・沖本道代さんの作品でした。

 

 

沖本さんが作成した周南市シティプロモーションのロゴデザイン

周南市シティプロモーションロゴマーク

 

沖本さんが制作したロゴマークには、さまざまなモチーフが描かれています。周南市のイメージカラーであるブルーの部分は煙突や電波受信状況を表すアンテナピクトを、イエローの煙に見える部分は吹き出しとWi-Fiマークをイメージ。煙突から出る吹き出しで、周南市からたくさんの魅力が発信されている様子が描かれています。

「煙に見える吹き出しの部分は、実はこんな素敵なところが…、こんな素敵なものが…、こんな素敵な人が…と、たくさんの想いがわきだして広がっていく様子を表現しました。真ん中は、周南市で頑張っている人、周南市で生まれているもの、周南市で起きていることなど、『あなたの発信』が入る場所として空けてあります。みなさんが感じている周南市の魅力を発信してもらえたら嬉しいです。」

 

市民ワークショップ「SHUラボ」に参加

沖本さんは、2020年に行われた周南市シティプロモーション課主催の市民ワークショップ「SHUラボ」に参加。SHUラボメンバーはイベント班・商品開発班・デザイン班・記者発表班・SNS班の5つのグループに分かれ、周南市の魅力を発信するための企画・アイデアを話し合います。その中で、沖本さんはデザイン班に参加し、市のキャッチコピー「ここから、こころつながる。周南市」ができるまでのアイデア出しに関わりました。

第1回目のワークショップでは、『見つけた』『実は』というキーワードが出てきたそう。そこから『周南市には隠れた魅力がたくさんある』をテーマに、ワークショップメンバーでキャッチコピーを考えていきました。さまざまなアイデアが飛び交う中、何度も協議して最終的に練り上げられたのが、『ここから、こころつながる。周南市』でした。

周南市への誇りと愛情を込めて

SHUラボに参加したことで、市内在住のデザイナーという立場で、周南市をますます魅力あるまちにしたいという思いを強くした沖本さん。その後、『ここから、こころつながる。周南市』のキャッチコピーに合わせたロゴの公募が行われることになり、沖本さんも手を挙げることに。ロゴ作成のヒントとなったのは、SHUラボのメンバーから出た言葉でした。

「メンバーと周南市の魅力について話し合った際、『新幹線の窓から見えるコンビナートの風景をみたとき、ふるさとに帰ってきたなと実感する』という話を聞き、印象に残っていました。周南市といっても広く、人によっていろいろなモチーフが思い浮かぶと思いますが、駅はみんなが使うもの。きっと同じように感じている人も多いのではないかと思い、コンビナート景色の象徴とも言える工場の煙突をモチーフに選びました。」

このロゴマークには、市民の誰もが潜在的にもっているふるさと周南市に対する「誇り」や「愛着」が込められていたんですね。沖本さんのお話を聞いて、ますますこのロゴマークが好きになりました! 人から人、周南市から全国へ、周南市の魅力が伝わっていきますように。そして、周南市を愛するファンが増えますように。このロゴマークとともに周南市シティプロモーションの取組をみんなで盛り上げていきましょう!

ロゴのモチーフとなった周南コンビナート

 

 

03.インタビュー

昨年からまちのいたるところで目にするようになった周南市シティプロモーションの新しいロゴ。今回は、その生みの親であるグラフィックデザイナー・沖本道代さんに、デザインの仕事をするようになったきっかけ、周南市への想いなどをお聞きしました。

 

やりたいと思ったときが始めどき

もともと手を動かして何かを作ることが好きだったという沖本さん。小さい頃のエピソードを話してくれました。

「小学生のとき、絵本に登場するドレスを真似して、紙でオリジナルの着せ替え人形をよく作っていました。描いて、切って、ドレスをとっかえひっかえ着せ替えてと、夢中になって遊んでいた記憶があります。振り返ってみると、その頃からものづくりに興味があったのかもしれません。」

高校までは広島県三原市で過ごし、大学進学を機に島根県へ。結婚後、夫の故郷である山口県へ移住した沖本さん。それまでデザインの仕事とは無縁だった彼女の人生を変えたのは転職でした。

「34歳のとき、近所の工場の印刷部門で働き始めたことが、今の仕事につながるきっかけとなりました。印刷の仕事は初めて。専用ソフトさえ使ったことがありませんでしたが、使い方を教わりながら見よう見まねで仕事を覚えていきました。特に印象に残っているのは、とある学校の広報紙の制作。アイデアを形にしていく楽しさを味わいました。」

好きなことをあきらめたくない

デザインについてきちんと学びたい。デザインの楽しさに目覚めた沖本さんは、職業訓練に通い、グラフィックデザインやWebの基礎について学びました。その後、広告代理店、広告デザイン会社とキャリアを積み、仕事の幅を広げていきました。

「広告代理店で働き始めたばかりの頃は、分からないことやできないことが多く、悔しい思いもたくさんしました。」

好きなことをあきらめたくない、もっとデザインについて勉強したい。沖本さんの向上心は尽きることがありません。2017年からは県内で定期的に行われているさまざまなデザインの勉強会にも参加。同業者との交流も深めていきました。

「当時働いていた会社で出会った方から『こんな勉強会もあるよ』とセミナーに誘われて、そこからどんどん世界が広がっていきました。それまで独学でデザインの勉強をしていたので、先輩デザイナーとの交流はとても新鮮でした。技術的なことはもちろん、クライアントとのコミュニケーションの取り方、ハートフルなやりとりなどの体験談を聞き、大いに刺激を受けました。」

そんなつながりの中から、周南市シティプロモーション課が主催する市民ワークショップ「SHUラボ」に参加するようになったそう。

「SHUラボでは周南市を愛する人々にたくさん出会い、まちの良さを改めて知る良い機会になりました。『特別すごくはないのだけれど、実はこんなところがあって…』『意外とここが好きで…』と、みなさん何気ない日常に魅力を感じている。住んでいる人だけが知っているまちの魅力を聞けるとても楽しい時間でした。そのときの経験が、のちに周南市シティプロモーションのロゴマーク制作のヒントになりました。」

デザインで人と人をつなげる

現在、フリーのグラフィックデザイナーとして活躍する沖本さん。「リコネクト(再びつながる)」にちなんだ屋号には、人とのつながりを大切にしたいという想いが込められています。

「デザインは人と人、人とものをつなぐもの。何かと何かをつなぐ役割を担っています。デザイナーはその間に立ち、できることを探る人。クライアントの方の『こうしたい』が達成できたとき、そのことを喜んでもらえたときが何よりもうれしいですね。今後は、ブランディングをトータルでサポートできるようになりたいです。そのためにも、常にスキルを磨いてデザインのレベルを上げていきたいと思っています。」

人々の期待に応えるため、常に知識や技術を高めようと地道な努力を重ねていく。そんな誠実で実直な人柄が言葉の端々から伝わってきます。

 “ちょうどいい”周南市の魅力

沖本さんがこのまちに住み始めて15年。周南市は第2のふるさとになりつつあります。

「私が生まれ育った広島県三原市と周南市って共通点が多いんです。駅からは海が見えるし、工業地帯もある。田舎すぎず、都会すぎないから、ちょうどいいんですよ。」

現在、沖本さんは周南市シティプロモーションチーム「SHUラボ」が年2回発行するフリーペーパー「shu・wa – shu・wa(シュワシュワ)」の編集長も務めています。フリーペーパーの制作のため、周南市のまちに取材に出掛けることでお気に入りの場所も増えているようです。

「Vol.2で特集したのは、おいしいコーヒーのお店です。周南市って紙面に乗り切らないくらい素敵なコーヒーのお店が多いんです。こんなにたくさんのコーヒーロースタリーのある地方都市は珍しいですよね。正直記事を書くのは苦手ですが、デザインするのはめちゃくちゃ楽しい! 実は今回、紙面のいたるところにコーヒー豆のデザインを散らしています。何個隠れているのか、探してみてくださいね!」

茶目っ気たっぷりに話すその口ぶりからは、心から楽しんで制作している様子がうかがえます。

最後に、沖本さんに周南市で思い入れのある場所をお聞きしました。

「一番のお気に入りは、現在私が拠点にしているシェアオフィスの屋上から見える徳山港の景色。お天気がいい日はここでお弁当を食べてのんびり過ごします。キラキラと輝く海面や船の出入り…ずっと見ていて飽きない景色です。山﨑八幡宮というお宮があるんですけど、そこの拝殿に行くまでの階段をのぼり切ったところから見えるまちの風景も好きです。まっすぐに道路が続いていく、あの抜け感が好きなんです。橋の向こうには東ソーが見えて、また違った趣があります。」

人とのつながりや何気ない日常の中に小さな幸せが隠れている。沖本さんのお話を聞いて、なんだかほっこりとした優しい気持ちになりました。よくよく見ると、周南市の「南」にも「幸」の字隠れていますよね。みなさんもぜひ自分なりの視点で周南市の「幸」を見つけてみてください!

 

「第49回 徳山夏まつり」のうちわデザインを担当

沖本さんは2022年7月23日(土)開催の徳山夏まつりで来場者に配られるうちわのデザインを担当されました。
ぜひ手に取ってみてくださいね。

第49回徳山夏まつりうちわ

04.関連リンク

記事:小野 理枝 / 写真:川上 優

執筆時期:2022年4月

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