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シンガーソングライター | RIONさん

音楽でエールを届ける!現役女子大生シンガーソングライター

シンガーソングライター | RIONさん
01.ヒト

2002年、周南市生まれ。1歳から音楽教室に通い始め、5歳から電子オルガン(エレクトーン)を本格的に習い始める。毎年行われるコンクールでは数々の賞を受賞。自作曲を演奏するコンサートにおいても、毎年全国的に高い評価を得るようになる。中高一貫校に進学したことをきっかけに、一時は医師を志すも、プロミュージシャンとのライブ共演をきっかけに、音楽の道に進むことを決意。17歳のときに1stアルバム「Dearest(ディアレスト)」を、18歳のときに2ndアルバム「Remember」をリリース。現在、音楽大学でデジタル鍵盤楽器を専攻する現役女子大生。2019年2月、ヴァイオリン、ピアノ、電子オルガンの音楽ユニット「HiKaRi」を結成し、周南市立徳山駅前図書館にて定期的にライブラリーコンサートを開催。2022年11月からは周南市観光大志も務める。

02.モノとコト

幼少期から電子オルガンで全国的に活躍

胸にすっと染み入る歌詞と澄んだ歌声。今回ご紹介するRIONこと藤本凜音さんは、音楽大学に通いながら活動を続けるシンガーソングライターです。

1歳から音楽教室に通い始めたRIONさん。初めて曲をつくったのは3歳のとき。「みんなのようちえん」という曲を、父親と一緒にステージで歌ったのを覚えているそう。5歳からは本格的に電子オルガン(エレクトーン)を習い始め、毎年行われるコンクールでは数々の賞を受賞。また、自作曲を演奏するコンサートにおいても、毎年全国的に高い評価を得るようになりました。

そんなRIONさんが多くの人の目に留まるようになったのは高校1年生のとき。自身が通う音楽教室のヴァイオリンとピアノの講師と音楽ユニット「HiKaRi」を結成し、周南市立徳山駅前図書館で無料コンサートを開いたことがきっかけでした。

 

新感覚音楽ユニット「HiKaRi」結成

RIONさんに「HiKaRi」誕生のきっかけを聞いてみました。

「周南市立徳山駅前図書館で開催された楽器店主催のミニコンサートに参加しました。ちょうど徳山駅前図書館開館1周年記念の『周南きさらぎ文化祭』で多彩な催しを行っていました。ミニコンサートもその一環だったのですが、演奏終了後に急遽ヴァイオリンとピアノと一緒に生演奏を披露することに。そのときの反響が大きく、継続的にやってみようという話になりました。」

手探りで始まった「HiKaRi」の活動は、2023年で5年目に入りました。現在メンバーは、ヴァイオリンのRioさん、ピアノのKAORIさん、そして電子オルガンのRIONさんの3人。活動は完全ボランティア。「音楽でまちと人をつなぎたい」との想いで、クラシックからロックまで幅広いジャンルの演奏を届けています。

「市内外からイベント出演のお声がけをいただく機会も増えてきました。たくさんの温かいお言葉や応援メッセージをいただいて本当にありがたいです。これからもたくさんの人にステキな音楽をお届けしたいと思っています!」

 

シンガーソングライターRION誕生

「HiKaRi」の活動はSNSを通じて発信され、同時にRIONさんの活躍ぶりも全国に知られるようになります。そして、下松市出身のミュージシャン・岡本修さんの目に留まり、高校2年生の夏、電子オルガンでライブ共演を果たします。同じ年の10月には、名古屋在住のピアニストで音楽プロデューサーでもある松田由衣さんのラジオ番組に出演。それまでは電子オルガンの演奏のみでしたが、ここから本格的なシンガーソングライターとしての活動がスタートしました。その後、松田さんのスタジオで書き留めたメモを片手に即興で歌った曲が初のオリジナル楽曲「ヒカリへ」の誕生へとつながりました。

 

どれだけ辛くたって

涙に溢れたって

いつか笑える日が来るから

過去にとらわれていたって

その先に未来待ってる

暗闇の先のヒカリ射す方へ

(「ヒカリへ」より/作詞・作曲RION)

 

そして、「ヒカリへ」のアンサーソングとして、20歳の誕生日に記念リリースされたのが「夢のカケラ」です。未来へ向けて一歩踏み出そうとしている。そんな人の背中をそっと押してくれるような前向きなメッセージが込められています。

 

あの日描いた夢

ポケットに握りしめて

今、大人の階段をかけ昇っていく

追い風を背中に感じて走り出そう

Just be myself

夢のカケラ求めて

まだ見ぬ世界がきっと待ってる

(「夢のカケラ」より〜/作詞RION・作曲taka)

 

長年培われたRIONさんの作曲技術と等身大の歌詞の世界観は、同世代はもちろん世代を超えた共感を生み出しています。音楽大学で学びながら、ソロ活動に、「HiKaRi」の活動にと、大忙しの日々を送っているRIONさん。これからどんな新しい世界を見せてくれるのか、活躍がますます楽しみです!

実は、RIONさんのMVには母校である晃英館をはじめレストランや結婚式場、海辺や桜並木など、見慣れた周南市の風景が登場しています。公式ホームページやYouTubeでも見られるので、ぜひそちらもチェックしてみてください!

▼公式ホームページ「RION OFFCIAL WEBSITE」

▼YouTube「RION @hikaririon」

03.インタビュー

シンガーソングライターであり、音楽ユニット「HiKaRi」の電子オルガン(エレクトーン)奏者であり、音大生でもある、多彩な顔をもつRIONさん。これまでの経歴や音楽の道を志したきっかけ、周南市の魅力などをうかがいました。

 

幼少期から音楽に囲まれた環境

 RIONさんが音楽に目覚めたのは1歳のとき。音楽講師を務める母親に連れられて、地元の音楽教室に通い始めました。3歳のときには、自分でつくった『みんなのようちえん』という曲を、父親と一緒にステージで披露したというから驚きです。

本格的に電子オルガンを習い始めたのは5歳から。学校から帰って宿題を終えるとすぐに電子オルガンに向かう日々。めきめきと実力をつけていき、毎年行われる電子オルガンやピアノの全国コンクールでは常連に。自ら作曲した曲を演奏する全国的なコンサートにおいても、毎年高い評価を得るようになりました。

 

電子オルガンってどんな楽器?

ちょっと話が脱線しますが、RIONさんが演奏する電子オルガンとはどんな楽器なのでしょう?

最大の特徴は、両手両足を使って演奏するところにあります。鍵盤は、手で弾く上鍵盤と下鍵盤、そして足で弾くペダル鍵盤の3段。右手でメロディ、左手で伴奏、左足でベースというように、3つの要素を同時に演奏できます。さらに、斜めになっているペダルが2つ。音量を調整したり、音程を上下させたりできるほかに、エレキギターならではの「キュイーン」という音も出せるのだとか。

そして、もう一つの大きな特徴が、さまざまな楽器の音を出せることです。金管楽器や木管楽器、弦楽器、鍵盤楽器、打楽器、さらには和楽器や中国楽器と驚きのバリエーション! その上、リズムパターンも何百種類もあり、クラシックからポピュラーミュージックまで、さまざまなジャンルの音楽を一台で演奏できてしまうんです。

端から見ていると、3段の譜面を追いかけるだけでも至難の業。弾くのも大変なのに、たくさんあるボタンの操作も難しそう…。でも、上手に演奏できるようになったら、めちゃくちゃカッコいい!! RIONさんが魅了されたのも納得です。

「電子オルガンは掘れば掘るほど深い楽器。表現できるヴァイオリンの音だけでも何種類もあるんですよ。音のかたさ、やわらかさなど、細かい部分にこだわりながら自分好みに音をつくっていける楽しさがあります。いろんな音が出るので、一人で弾いていても一人じゃない気分が味わえる。デジタルとアナログが融合したようなところも魅力です。」

 

衝撃を受けた「いきものがかり」のライブ

RIONさんが音楽の力を強烈に感じたのは、小学生のときに父親と出かけた「いきものがかり」のライブだそう。ライブ特有の臨場感や一体感に衝撃を受けたといいます。

「物静かな父があそこまでハジけるとは驚きでした。手を振って盛り上がったり、初対面なのに隣の席の人と話をしたり、人が変わったの?と思えるくらい。そのくらい音楽ってスゴい力を持っているんだなって実感しました。」

このときの体験から、小学4年生の1/2成人式では「歌手になりたい」という目標を掲げたRIONさん。しかし、中高一貫校への入学を機に進路を変更。医師を目指して猛勉強を始めます。そして、中学生最後のコンクール出場を機に、一旦音楽に区切りをつけることにしました。

 

刺激に満ちあふれた高校時代

 転機が訪れたのは、高校1年生のとき。周南市立徳山駅前図書館で開催された『周南きさらぎ文化祭』に、自身が通う音楽教室のピアノとヴァイオリンの講師と一緒に参加。そのときの反響が大きかったため、音楽ユニット「HiKaRi」を結成して、定期的に図書館でライブラリーコンサートを開催するようになりました。

ただし、進学校ゆえに勉強は必須。高校2年生の夏、周囲からは進学のために再び音楽をやめるように言われます。しかし、同じタイミングで誘われたのが、下松市出身のミュージシャン・岡本修さんのライブへの参加でした。勉強か音楽か葛藤の末、RIONさんは音楽を選び、岡本修さんのライブのサポートメンバーとして、ほぼ全曲の出演を果たします。

「今しかできないことをやろうと思って、思い切ってチャレンジしました。ライブは今まで味わったことのないようなドキドキ感。やっぱり私は音楽がないと生きていけないんだなって実感しました。」

 

音楽の道に進むことを決意

このときの体験をきっかけに、遂に音楽の道に進むことを決意したRIONさん。同じ年の秋には、名古屋在住のピアニストで音楽プロデューサーでもある松田由衣さんのラジオ番組に出演。それまでは電子オルガンの演奏のみでしたが、ここからシンガーソングライターRIONとしての本格的な活動がスタートしました。そして、17歳のときに初のオリジナル楽曲「ヒカリへ」を発表しました。

高校卒業後は、音楽のことを一から学びたいと音楽大学へ進学。学生生活を送りながら音楽活動を続け、20歳のときには「夢のカケラ」をリリースしました。

「この曲は、私が17歳のときに初めてつくった『ヒカリへ』のアンサーソングになっています。ベーシストかつプロデューサーのtakaさんとタッグを組み、私が作詞を、takaさんが作曲を担当しています。ステキなご縁に心から感謝しています。」

 

知れば知るほど好きになる!周南市の魅力

RIONさんの活躍は音楽だけに留まりません。2022年11月には周南市観光大志に任命され、さまざまな場面で活躍しています。

「これまで音楽漬けの日々を送ってきたため、知らなかった周南市の魅力を発見するたびにワクワクしています。昨年、漢陽寺で二十歳の記念撮影を行いました。お寺の庭を見て感動したのは初めて! 眺めていると心がすーっと落ち着いてきて、周南市にこんなにステキなところがあったんだなって…。改めて自分が生まれ育った場所に愛着を感じています。今後は周南市をテーマにした曲もつくってみたいです!」

さらに、2022年に開学した周南公立大学への思いも語ってくれました。

「例えば、周南公立大学に潜入してリアルな魅力を発信したり、SNSを活用して学生さんの疑問や気になることを解決したり…。私が大学を選ぶ際に気になったこと、親が心配したこと、疑問に思ったことなど、現役音大生であり観光大志である私が、周南公立大学の魅力を等身大でご紹介できたらいいなと考えています。」

 

多くの人の支えになる音楽を

RIONさんの最終目標は「音楽を通じて多くの人の支えになること」。「小さい頃からどんなときも音楽が私の心に寄り添ってくれました。これからは私が音楽で誰かを支えていきたいです」と語ります。

今回、RIONさんのお話を聞いていて印象的だったのは、何を聞いてもすぐに自分の言葉で返してくれるところ。彼女が手がける素直でまっすぐな歌詞にも直結しています。

「コロナや戦争など、不安定な時代だからこそ、命の尊さ、当たり前の幸せなど、音楽を通じてメッセージを伝えていきたい。自分のためでもありますが、誰かの応援ソングになればいいなと思っています。」

終始笑顔でインタビューに答えてくださったRIONさん。これからの活躍も楽しみにしています!

 

 

04.関連リンク

記事:小野 理枝 / 写真:嶋畑 勤
執筆時期:2023年2月
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